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お知らせ

空き家問題に取り組んでいる司法書士です!

空き家のご相談は、さまざまです。

事例1)空き家の名義が、亡くなった父のまま。

相続人の中に行方不明者がいます。手続きがとん挫してしまって・・・

共同相続人の一人に名義変更するには、亡父の相続人全員による遺産分割協議が必要です。
行方不明者である相続人抜きで遺産分割協議はできません。

利害関係人等(相続人)は家庭裁判所に対し、不在者財産管理人の選任を求めることができます。
不在者財産管理人が不在者に代わって遺産分割協議をします。 

しかし、選任申立ての際、多額の予納金が必要になる場合があります(50万円~100万円)。

 そこで

「所在等不明共有者の持分取得制度」ができました(民法262条の2/令和5年4月1日施行)

  • 相続開始後10年を経過した場合において、行方不明の相続人の持分を自己に取得させる旨の裁判を申し立てることができます。
  • 裁判所は、裁判所が定める金銭が供託させることを前提として、取得の裁判を行うことができるようになりました。

事例2)隣地建物が老朽化している場合

お隣の空き家の相続人が所在不明となっています。
老朽化が進み、倒壊しそうになっても、誰も管理しません。
危険性が高いため、空き家の管理をしてほしいと思いますが、
特に、空き家を取り壊すこととなった場合、その費用は誰が負担するのでしょうか?

1、空き家対策特別措置法の活用

「特定空き家」に該当する場合は、自治体が管理のために必要な措置を講じなければならず、行政代執行により、空き家を解体させることもできるので、まず自治体に相談する。

「特定空き家」とは、

  • ①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • ②著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • ③適切な管理が行われていないことにより、著しく景観を損なっている状態
  • ④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

にある空き家をいう(空き家特措法2条2項)。

「行政代執行」⇒市が特定空き家の所有者に代わり倒壊しそうな空き家を解体すること。
費用は、所有者に請求されます。

2、特定空き家に該当しない場合

 不在者財産管理人の選任申立てを自治体に行ってもらうよう相談する。

 こんなとき

「所有者不明建物管理制度」が利用できる(民法264条の8/令和5年4月1日施行)

  • 自ら利害関係人として、裁判所に所有者不明建物管理人の選任を申立て、同管理人に管理させることが考えられます。
  • 裁判所が許可すれば、同空き家を取り壊すことも可能です。
  • 同管理人の報酬や解体費用の負担については、所有者不明土地管理人の選任(民法264条の2/令和5年4月1日施行)も併せて申立て、本件空き家を解体して更地となった土地を売却することで、費用を賄える可能性があります。

不在者財産管理人と所有者不明建物管理人との違い

不在者財産管理人は、不在者の全財産を対象に管理するのに対し、所有者不明土地管理人は、所有者不明建物に特化した制度なので、事務処理の時間や費用の負担が前者に比べて軽いと言えます。